「副甲状腺機能低下症」と手足のしびれの関係を解説！

副甲状腺機能低下症と手足のしびれ

副甲状腺機能低下症とは

副甲状腺機能低下症は、副甲状腺という小さな腺が正常に働かず、体内のカルシウム濃度が低下する状態を指します。副甲状腺は甲状腺の近くに位置し、血中のカルシウム濃度を調整するホルモン（副甲状腺ホルモン）を分泌しています。このホルモンが不足すると、血液中のカルシウムが減少し、さまざまな症状が現れます。一般的には、手足のしびれや筋肉のけいれん、疲労感などが見られます。

手足のしびれと副甲状腺機能低下症の関係

手足のしびれは、副甲状腺機能低下症によって引き起こされる主な症状の一つです。血中のカルシウム濃度が低下すると、神経の機能が影響を受けるため、しびれや感覚異常が生じることがあります。特に、手や足の指先に感じるしびれは、カルシウム不足が神経に影響している可能性があります。この状態は「神経伝導障害」とも呼ばれ、適切な治療を受けることで改善が期待できます。

副甲状腺機能低下症の症状

副甲状腺機能低下症には、手足のしびれ以外にもさまざまな症状があります。以下に主な症状を挙げます。

1. 筋肉のけいれん

筋肉が不随意に収縮することがあり、特に腕や脚の筋肉に見られます。これを「テタニー」と呼びます。筋肉のけいれんは、カルシウム不足によって引き起こされることが多いです。

2. 疲労感

持続的な疲労感やエネルギーの低下を感じることがあります。この症状は、体が必要とするカルシウムが不足しているために起こります。

3. 精神的な症状

うつ症状や不安感など、精神的な影響も報告されています。カルシウムは神経伝達物質の働きにも関与しているため、精神的な健康にも関連しています。

4. 骨密度の低下

カルシウムが不足すると、骨密度が低下し、骨折のリスクが増加します。特に高齢者では注意が必要です。

副甲状腺機能低下症の原因

副甲状腺機能低下症の原因は、さまざまです。代表的なものには以下があります。

1. 手術による副甲状腺の損傷

甲状腺や副甲状腺の手術によって、副甲状腺が損傷を受けることがあります。この場合、ホルモンの分泌が低下します。

2. 自己免疫疾患

自己免疫疾患により、体の免疫系が副甲状腺を攻撃することで機能が低下することがあります。

3. 遺伝的要因

一部の人々は、遺伝的な要因から副甲状腺機能低下症を発症することがあります。

診断と治療

副甲状腺機能低下症の診断は、血液検査によって行います。血中のカルシウム濃度や副甲状腺ホルモンのレベルを測定し、異常があるかを確認します。治療には、カルシウムやビタミンDの補充が一般的です。これにより、症状の改善が期待できます。また、必要に応じて、医師がさらに具体的な治療計画を提案します。

副甲状腺機能低下症は、早期に適切な治療を行うことで、手足のしびれやその他の症状を軽減することができます。充実した生活を送るためには、症状に気づき、医療機関を受診することが重要です。