血液検査でわかる鉄不足について

医療初心者
血液検査で鉄不足がわかると聞いたのですが、具体的にはどんな項目を見ればいいのでしょうか?

医療専門家
血液検査で鉄不足を示す主な項目は、ヘモグロビン、フェリチン、血清鉄、トランスフェリンなどです。特にフェリチンは体内の鉄の貯蔵状態を示す重要な指標です。

医療初心者
それぞれの項目が具体的にどんな意味を持つのか、もう少し詳しく教えてもらえますか?

医療専門家
もちろんです。ヘモグロビンは赤血球の中に含まれ、酸素運搬に関与します。フェリチンは体内の鉄の蓄積を示し、血清鉄は血液中の鉄の量を示します。トランスフェリンは鉄を運ぶタンパク質で、これらの数値を総合的に見ることで、鉄不足の程度を評価できます。
鉄不足を示す血液検査項目について
鉄は私たちの体にとって非常に重要な栄養素です。体内での酸素運搬やエネルギー生産に関与しており、鉄不足はさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。ここでは、鉄不足を示す血液検査の項目について詳しく解説します。
主な血液検査項目
血液検査で鉄不足を評価するための主な項目は以下の通りです。
1. ヘモグロビン(Hb)
ヘモグロビンは赤血球の中に含まれるタンパク質で、酸素を全身に運ぶ役割を果たします。一般的に、ヘモグロビンの正常値は男性で13.0~17.0 g/dL、女性で12.0~15.5 g/dLとされています。ヘモグロビンが低いと貧血の可能性が高まり、疲労感や息切れが生じることがあります。
2. フェリチン
フェリチンは体内の鉄の貯蔵状態を示す指標です。正常値は男性で30~300 ng/mL、女性で15~150 ng/mL程度です。フェリチンが低下している場合、体内の鉄が不足している可能性が高いです。フェリチンは長期的な鉄不足を示すため、特に重要な検査項目です。
3. 血清鉄
血清鉄は血液中に存在する鉄の量を示します。通常、男性では65~175 µg/dL、女性では50~170 µg/dLが正常範囲とされています。血清鉄が低い場合、一時的な鉄不足を示すことがあります。
4. トランスフェリン
トランスフェリンは鉄を運ぶためのタンパク質で、鉄の吸収や供給に関連しています。正常値は男性で204~360 mg/dL、女性で250~380 mg/dL程度です。トランスフェリンの値が高い場合、体が鉄を求めていることを示唆します。このため、トランスフェリンは鉄不足の指標としても重要です。
鉄不足の原因と影響
鉄不足はさまざまな原因から生じます。食事からの鉄の摂取不足、消化器系の疾患、月経などによる鉄の喪失が一般的な要因です。鉄が不足すると、貧血、疲労感、集中力の低下、免疫力の低下などの症状が現れることがあります。特に女性や成長期の子供は、鉄不足になりやすいため注意が必要です。
まとめと対策
血液検査での鉄不足の評価は、ヘモグロビン、フェリチン、血清鉄、トランスフェリンなどの数値を通じて行います。これらの項目を総合的に判断することで、鉄不足の程度を把握することができます。もし、これらの検査結果に異常があった場合は、専門医の指導を仰ぎ、食事やサプリメントによる鉄分の補給を考慮することが重要です。

